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2011年2月10日木曜日

菜根譚:時期に応じて行動せよ

鴻、未だ至らざるに、先ず弓をひき、兎、既に亡ぐるに、再び矢を呼ぶは、
総て当機の作用に非ず。

風、息む時、浪を起こすを休め、岸の至処に便ち船を離るるは、
わずかに是れ了手の工夫なり。

<訳文>
獲物のおおとりが、まだ現れないのに、弓に矢をつがえて引き絞って
待ったり、兎は逃げてしまったのに、次の矢を持って来いと叫ぶよう
なのは、すべて的外れで、時宣を得た動作とは言えない。

風がやんだら浪を立てるのをやめ、船が岸についたところで直ちに
船から降りるようならば、それでようやく時機に応じたやり方で
あると言える。

2011年2月5日土曜日

菜根譚:苦・楽や迷・悟も根はひとつ

迷えば則ち楽境も苦海となるは、水の凝りて氷と為が如し。

悟れば則ち苦海も楽境と為るは、猶、氷のとけて水となるがごとし。

見るべし、苦楽に二境無く、迷悟に両心非ず。

只だ、一転の念間に在るのみ。

<訳文>
いったん真実を見失うと、楽しいところも苦楽に満ちた世界になるのは、
水が凍って氷となるようなものである。

心の迷いが覚めると、苦楽に満ちたところも楽しい世界となるのは、
ちょうど、氷が溶けて水となるようなものである。

苦楽と快楽という二つの場所はなく、迷いと悟りという二つの心がある
のではなく、

いずれも心のあり方によって二つに分かれるのである。

(清朝本全訳 菜根譚P235より引用)

2011年2月2日水曜日

菜根譚:危険はむしろ平穏なときに隠れている

仇辺の弩は避け易きも、恩裏の戈は防ぎ難し。
苦時の坎は逃れ易きも、楽処の阱は脱し難し。


<訳文>
敵と戦っているときに相手が射てくる弓矢を避けることは、
心構えができているのでやさしいが、感情にまつわる中傷など、
目に見えない刃のようなものを防ぐことは難しい。


苦しいときに落とし穴を逃れることは、緊張しているので
やさしいが、平穏で楽しんでいるときの落とし穴には、
気が緩んでいるので気がつかず、免れることは難しい。

2011年1月21日金曜日

菜根譚:一時の禍福に一喜一憂せず思いめぐらせ

天、人に禍せんと欲するには、必ず先ず微福を以て之を驕らかす。

福来るも必ずしも喜ばざる所以なり。

他の受に会うを看るを要す。

天、人に福せんと欲するには、必ず先ず微禍を以て之をいましむ。

禍来るも必ずしも憂えざる所以なり。

他の救いに会うを看るを要す。

<訳文>
天が人に禍害を与えようとするときには、必ずまず少しばかりの
幸福で、その人を驕らせる。

だから幸福が来ても、必ずしも喜んではいけない。

その人がどうして幸福を受けるようになったかを良く考えてみな
ければいけない。

天が人に幸福を与えようとするときには、必ずまず少しばかりの
禍害で、その人を警戒させる。

だから、禍害がやってきても、必ずしも憂えてはいけない。

どのようしてその禍害から救われるかを良く考えることが必要である。

2011年1月16日日曜日

菜根譚:名声を追わず、虚心に基盤を確立する

業を立て功を建には、事事に実地に依りて脚を著けんことを要す。

若し少かも声聞を慕わば、便ち偽果を成さん。

道を講じ徳を修るには、念念に虚処によりて基を立てんことを要す。

若しわずかも功効を計らば、便ち塵情に落ちん。

[訳文]
事業を起こし、それを完成させるには、何ごとも着実な基盤の上に
立って事を遂行する必要がある。

もし、少しでも名誉や良い評判のようなものを求めたならば、
たちまち真実を伴わない結果を招くであろう。

道理を説き示し、徳行を修めるには、すべての思いを虚心にして基盤を
確立する必要がある。

もし、わずかでも結果だけを期待するような手立てを講じたならば、
たちまち妄想に汚れた心に陥ってしまうだろう。

<清朝本菜根譚 P18から引用> 

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2011年1月10日月曜日

菜根譚:心の均衡の保ち方

今年から、論語や孫子と併せて、菜根譚も読むことにしました。

菜根譚とは、中国の古典で明の時代の洪自誠による随筆集です。

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最初にご紹介するのは、心の均衡の保ち方。

気象(きしょう)は高曠(こうこう)なるを要(よう)するも、
而(しか)して疎狂(そきょう)なるべからず。

心思(しんし)は ~密(しんみつ)なるを要するも、而(しか)して瑣屑(させつ)なるべからず。

趣味は冲淡(ちゅうたん)なるを要するもし、而して偏枯(へんこ)なるべからず。

操守(そうしゅ)は厳明(げんめい)を要するも、而して激烈(げきれつ)なるべからず。 


[訳文]
気概は高く広くなければならないが、だからと言って世事にうとく常軌を逸している
ようではあってはならない。

心遣いは細かく注意深くなければならないが、だからと言ってあまりにせこせこと
細かいことにこだわりすぎてはならない。

心持ちは穏やかであっさりとした方が良いが、だからと言って偏りすぎて融通が
利かないようではあってはならない。

心に堅く守るところは厳正ではっきりしていなければならないが、だからといって
厳しすぎてはならない。

<清朝本菜根譚 P251から引用>