2011年1月21日金曜日

菜根譚:一時の禍福に一喜一憂せず思いめぐらせ

天、人に禍せんと欲するには、必ず先ず微福を以て之を驕らかす。

福来るも必ずしも喜ばざる所以なり。

他の受に会うを看るを要す。

天、人に福せんと欲するには、必ず先ず微禍を以て之をいましむ。

禍来るも必ずしも憂えざる所以なり。

他の救いに会うを看るを要す。

<訳文>
天が人に禍害を与えようとするときには、必ずまず少しばかりの
幸福で、その人を驕らせる。

だから幸福が来ても、必ずしも喜んではいけない。

その人がどうして幸福を受けるようになったかを良く考えてみな
ければいけない。

天が人に幸福を与えようとするときには、必ずまず少しばかりの
禍害で、その人を警戒させる。

だから、禍害がやってきても、必ずしも憂えてはいけない。

どのようしてその禍害から救われるかを良く考えることが必要である。

2011年1月16日日曜日

菜根譚:名声を追わず、虚心に基盤を確立する

業を立て功を建には、事事に実地に依りて脚を著けんことを要す。

若し少かも声聞を慕わば、便ち偽果を成さん。

道を講じ徳を修るには、念念に虚処によりて基を立てんことを要す。

若しわずかも功効を計らば、便ち塵情に落ちん。

[訳文]
事業を起こし、それを完成させるには、何ごとも着実な基盤の上に
立って事を遂行する必要がある。

もし、少しでも名誉や良い評判のようなものを求めたならば、
たちまち真実を伴わない結果を招くであろう。

道理を説き示し、徳行を修めるには、すべての思いを虚心にして基盤を
確立する必要がある。

もし、わずかでも結果だけを期待するような手立てを講じたならば、
たちまち妄想に汚れた心に陥ってしまうだろう。

<清朝本菜根譚 P18から引用> 

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