2010年6月13日日曜日

感動をわかちあう:アサヒビール泉谷社長勉強会

先日、日本経営道協会主催の特別公開セミナーにて、アサヒビール株式
会社代表取締役社長、泉谷直木氏の勉強会に参加してきました。


年に1回の機会で、泉谷社長のお話を伺うのは今回で2度目です。


前回は専務取締役のお立場でした。そして、今年は社長に就任されて初
めての講演です。


毎年、大変含蓄のあるお話を伺えるのですが、社長になってからの初の
お話で、今年もっとも印象に残ったのは「人を中心とした経営」を目指
している点でした。


具体的には、


人をしあわせにする人が幸せになる
その人の成長を会社の成長に結びつけるのが社長の仕事


とにかく「人、人、人」。「」を中心とした経営を徹底し、
社内にありがとうが溢れる会社にする」ということを語っておられました。


組織は人なり、そして人はノウハウなり


自社の社員の能力を信じ、その人がもっているノウハウを最大限引き出
す、そういった経営を志していらっしゃるとのことです。


泉谷社長の「人を中心」とした経営方針は、昨今の競争社会において、
リストラクチャリングが当たり前の人材の流動化を前提とした、人を大切
にしない会社経営とは大きく異なります。


アサヒビール株式会社の時価総額は2010年6月11日現在で約7600億円。
国内シェアは2位、世界シェアは10位です。


世界のビール市場シェアベスト10位


1位 アンハイザー・ブッシュ・インベブ
2位 英SABミラー
3位 ハイネケン
4位 カールスバーグ
5位 青島ビール
6位 モルソン・クアーズ・ブルーイング
7位 メキシコのグルッポ・モデロ
8位 北京燕京ビール
9位 キリンホールディングス
10位 アサヒビール


日本の場合は、ビールは酒税負担が大きく価格を引き下げることが困難な
ため、酒税を負担を回避するために、国内向け商品として発泡酒や第3の
ビールが売上を伸ばしています。


ビールは典型的なコモデティ商品であるため、価格の安さが商品の売り
上げに直結してきます。


そのためM&Aでの規模の追求により競合他社に比べて価格競争力を得る
戦略が有効になります。


結果として、世界市場では上位4位で半分以上のシェアを占めています。
(ロイター記事:プラトーロジック調査)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-13791720100209


グローバル企業同士の競争においては、国内と国外の競争条件が異なっ
ていても、企業競争を勝ち抜いていかなければいけないわけです。


泉谷社長の志す、「人」そのものが持つ内在的な価値を最大化する経営
によって、日本企業が最も得意とする組織としての一体感を持って、
世界中の人と感動を分かち合う経営。


そして、企業の内側から人や商品、サービスを通じて「ありがとう」が
滲みでる経営ビジョンを感じることができました。


その後、パネルディスカッション、質疑応答を経て、その後はアサヒ
ビール本社屋の役員専用ラウンジへ。






真ん中のビル、泡のモチーフの中がラウンジ
隣には建設中のスカイツリー




アサヒビール代表取締役社長、直々の「ビールの美味しい注ぎ方講座
など、たいへん楽しい懇親パーティーとなりました。




私もご挨拶をさせて頂き、個別の質問で、「感動を分かち合うマーケティ
ングの秘訣」を教えて頂きました。


機会がありましたらその秘訣をご紹介したいと思います。





0 件のコメント:

コメントを投稿