皆さんは、ソーシャルキャピタルという言葉をご存じでしょうか?
Wikipediaによれば以下のように定義されています。
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ソーシャルキャピタル(Social capital, 社会関係資本)は、社会学、
政治学、経済学、経営学などにおいて用いられる概念。
人々の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることが
できるという考え方のもとで、社会の信頼関係、規範、ネットワーク
といった社会組織の重要性を説く概念である。
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平等的で水平的な信頼関係や連帯、絆を意味する概念であるととらえ
て良いのでしょう。
インターネットに代表される、いわゆる情報空間という現実のなかでは、
最近ことさらに重要性が高まってきているといわれています。
オンライン、オフラインに限らず、口コミや評判を元に善し悪しを判断
することがありますよね。
他人の評価をもとに伝播していく情報は、誰かの評価のフィルターを通
過しています。
この情報を広める人が、自分にとって信頼できる人であればその情報は
信頼できる、という判断をしますね。
この信頼関係の軸とした情報伝播の仕組みが、最近ではオンライン上に
存在するネットワークサービス(SNS)の中で実現しており、人々の行動
に影響を与えるなど、新しい現象が生まれ始めています。
ツィッターやFacebook、日本ではMixiやGreeに代表されるSNSの中で、
ソーシャルキャピタルの役割がますます重要になってきている状況です。
特に、ツイッターはリアルタイムWEBともいったりしますが、ブログでの
情報発信+Googleでの検索以上に、情報に対しての即時性と即応性が高
まってきており、その間に介在するソーシャルキャピタルの重要性が高
まってきています。
このソーシャルキャピタルですが、いわゆる通貨のような資本、マーケッ
トキャピタルとは異なり、定量化できないものです。
また、相対的に価値が決まる為、たとえば私が提供するこのブログは、
だれかの役には立つけれども、だれかの役には立たないということも言え
ます。(ここまで読んで役に立った!と思う方は是非RTしてください。)
そして、このソーシャルキャピタルは、実際のビジネスの場でもますます
重要になってきています。
先日、ツィッターノミクスの著者、タラ・ハント女史のトークショーに
参加をしてきましたが、彼女はこのように言っていました。
「ツイッターやFacebookのようなソーシャルWEBサービスは、企業にとって
の最高のブランドコミュニケーションツールであり、消費者がブランドと
直接コミュニケーションを取ることができる革命的なTOOLである。」
ということです。
私自身は、この考え方に大変共感しました。
消費者と企業の接点が、マスメディアではない、ソーシャルなWEBサー
ビスに次々と置き換わって言ったとき、企業のブランドコミュニケーショ
ン能力如何で、その企業の業績が左右されることになるからです。
ダイレクト・リアルタイム・コミュニケーションと置き換えても良いで
しょう。
この仲立ちをするのが、ソーシャルキャピタルということになりますが、
ではいったいソーシャルキャピタルとはどのような概念なのでしょうか?
顧客に感動を与えるもの、幸せ感を提供するもの、役にたつもの、などが
ソーシャルキャピタルの源泉になります。
企業の文化に基づいた自社の企業活動が、ダイレクトなリアルタイム
コミュニケーションTOOLを用いて、顧客に伝播していきます。
当然、良いことも悪いことも伝わっていきます。
これからの時代では、このソーシャルキャピタルを無視した企業活動の
成立はありえない世の中になるのではないでしょうか。
言い変えれば、顧客と友好的な関係を作れる企業、その企業のファンに
なるような企業は隆盛し、逆は衰退するということですね。
代表的な企業は、アップル、サウスウェスト航空などといわれています。
自社のプロダクトやサービスを通じて、顧客と良質な感動体験を共有で
きる企業です。
また、日本ではいち早くソフトバンク(というよりも孫正義氏@masason)
が、その可能性に気がついたといわれています。
いずれにしても、ネットワーク上でのリアルタイムの情報交流が活発に
なればなるほど、新たな需要が生まれていきますね。
ソーシャルキャピタルにはこれからも注目していきたいと思います。
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