迷えば則ち楽境も苦海となるは、水の凝りて氷と為が如し。
悟れば則ち苦海も楽境と為るは、猶、氷のとけて水となるがごとし。
見るべし、苦楽に二境無く、迷悟に両心非ず。
只だ、一転の念間に在るのみ。
<訳文>
いったん真実を見失うと、楽しいところも苦楽に満ちた世界になるのは、
水が凍って氷となるようなものである。
心の迷いが覚めると、苦楽に満ちたところも楽しい世界となるのは、
ちょうど、氷が溶けて水となるようなものである。
苦楽と快楽という二つの場所はなく、迷いと悟りという二つの心がある
のではなく、
いずれも心のあり方によって二つに分かれるのである。
(清朝本全訳 菜根譚P235より引用)
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