2011年3月13日日曜日

現在の福島原発と東海村JCO事故、スリーマイル島、チェルノブイリとの比較

福島第一原発と第二原発については、日本の原子力発電事故としては過去最悪の
事態であると想定されます。

史上最悪の原子力発電事故はチェルノブイリ原発事故です。これは、原子炉が爆発
を起こして、中にある核燃料物質も含む放射性物質が大気に放出されました。

これまでの本邦の過去最悪の原子力事故は、東海村JCOの事故です。

そこで、さまざまなWEB情報を参考に、現在の福島原発の状況と、東海村JCO事故、
スリーマイル島、チェルノブイリとの比較をまとめてみました。

まず、

原子力教育を考える会のホームページにある、
東海村JCO事故を参考に、放射能の被害に対しての理解を深めたいと思います。
http://www.nuketext.org/jco.html

JCOの事故では、2名の方がお亡くなりになっております。
(以下、原子力教育を考える会のホームページから抜粋)


・直接作業をしていた3人ー大内久さん、推定16~20シーベルト以上の被ばく、
1999年12月21日なくなられました。


・篠原理人さん、推定6~10シーベルの被ばく、
2000年4月27日に亡くなられました。


・横川豊さん、推定1~4.5シーベルトの被ばく、一時白血球がゼロになり危険でしたが、
その後退院されました。


シーベルトは被ばく線量の単位、致死量は6~7 シーベルトといわれます。


大内さん、篠原さんの死因は放射線被ばくによる多臓器の機能不全です。
以上の3人の方は、1999年10月6日、急性放射線症で労災に認定されました。
(大内さんの容態については、NHK取材班「被ばく治療83日間の記録」を参照してください。)


救急隊員3人 事故の内容を知らされずに出動し、13 ミリシーベルト被ばくしました。


臨界終息のための作業をした人たちや東海事業所の従業員・政府関係機関の職員など最大で120ミリシーベルトに達してします。


その他に50ミリシーベルトを超えてしまった人は6人もいます。(放射線を扱う作業に従事する人は年間50ミリシーベルトを限度にしています。この数字は胸につけた線量計によるものです。


以上抜粋終了。

2011年3月11日、15時半頃の時点では、福島第一原発正門付近で、1015μSv/hを記録しております。


1015μシーベルト(Sv)/hは、1時間あたりに浴びる放射線量のことです。
(政府基準では500μシーベルト(Sv)/hになります。)

この数字を上記の東海村JCO事故の被害者の被爆量にあわせるには、

1015μシーベルト(Sv)×24時間×365日÷1000

で計算することができます。

1時間あたりを24時間掛けて1日あたりにし、それを365日をかけて年間の単位に直します。
そのうえで、μシーベルトをミリシーベルト(mSv)に直します。

計算してみますと、8891.4ミリシーベルトになりました。

1ミリシーベルト(mSv)=0.001シーベルト(Sv)になりますから、
この値の放射線量を1年間浴び続ければ(←ここ大事)
8.8シーベルトということになり、JCOでの被害者の値を超えることになります。

しかし、福島第一原発付近では、その後、放射線量は有意に低下
しておりますので、そういった状況にはいたっておりません。


福島第一原発の1号機の建家は、冷却作業中に発生する水素と、建屋内の酸素が反応して
爆発をおこし、上部の屋根が崩壊しました。




しかしながら、建家の下部は健全な状態を保っており、

2011年3月13日10時時点で、
福島第一原発、福島第二原発は、
共に原子炉格納容器の崩壊はしていない模様です。

福島第一原発は、海水による冷却作業とホウ酸による放射線の遮断をおこなっています。

図4-12 放射線の透過力原子力AtoZ http://www.enecho.meti.go.jp/genshi-az/index.html

チェルノブイリは原子炉格納容器の崩壊でしたが、原子炉格納容器が崩壊しなかった類似の
事故としては米スリーマイル島の事故が考えられます。

原子力教育を考える会のホームページにスリーマイル島とチェルノブイリに関する解説があります。
http://www.nuketext.org/threemile.html

冷却水の不足による、福島第一原発1号機の炉心溶融がどの程度進んでいるかはわかりませんが、原子炉格納容器が健全性は、周辺の放射線量によって判断することが最善と思われます。

スリーマイル島の事故の際、10マイル(16km)が避難対象になりました。

当時の周辺に放出された放射線量は0.01 - 1mSv程度であり、被爆にあたっての住民や環境へ
の影響はほとんど無かったとされています。

今回、福島原発第一号機で放出された1015μSv/hは、約1mSv/hです。

2011年3月13日現在、福島第一原発から20kmが避難指示対象。福島第二原発から
10kmが避難指示対象区域です。

その他、原発に関してのQ&Aは、原発に関するQ&Aまとめ(http://smc-japan.org/?p=1057
が参考になります。

東京大学理学系研究科の早野龍五教授(@hayano)が、ツイッター上で一般の方から寄せられた質問に回答した記録をもとに、有志がツイッターに馴染みがない人にも読みやすいように編集したものです。

追記
3月16日時点での福島第一原発の状況メモをアップロードしました。

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