ふと、経済厚生は幸福度につながるのか?というのが気になりまして
いろいろと調べてみました。
日本は今のところGDPは2位ですが、幸福度は2006年の調査では90位、
2008年の調査では43位となっています。
「国民の幸福度」ランキングに関する2つの調査
①レスター大学所属のエードリアン・ホワイト氏による調査(2006年)
TOP5
1位 デンマーク
2位 スイス連邦
3位 オーストリア共和国
4位 アイスランド共和国
5位 バハマ国
主要国の順位
23位 アメリカ
35位 ドイツ
41位 イギリス
62位 フランス
82位 中華人民共和国
90位 日本
125位 インド
167位 ロシア連邦
ワースト3
176位 コンゴ民主共和国
177位 ジンバブエ共和国
178位 ブルンジ共和国
調査機関と方法
イギリスレスター大学所属のエードリアン・ホワイト氏が2006年に
発表したデータ。シンクタンクのデータを下に、8万人に聞き取り
調査を行った各国機関(ユネスコ、CIA、WHOなど)の発表済み
のデータを独自の方法で計算した上で各国の国民の幸福度をランキング
したもの。
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②ワールド・バリューズ・サーベイ(WVS)による調査(2008年)
(アメリカ政府の出資を受けた国際非営利調査機関)
TOP5
1位 デンマーク
2位 プエルトリコ(米自治領)
3位 コロンビア
4位 アイスランド
5位 北アイルランド(イギリス)
主要国の順位
16位 アメリカ
21位 イギリス
37位 フランス
43位 日本
54位 中国
62位 韓国
83位 ロシア
調査期間と方法
2008年、米政府が出資する研究組織ワールド・バリューズ・サーベイ
(世界の価値観調査)が調査したもの。1981年から2007年にかけて、
対象国・地域の計約35万人に
(1)非常に幸せ(2)まあまあ幸せ(3)さほど幸せでない
(4)まったく幸せでない、のいずれに該当するかを質問。
さらに「最近の生活にどの程度満足しているか」を尋ね、
回答を総合的に分析した。
調査を主導したイングルハート氏の分析によれば、ポイントは以下3つ
だそうです。
①経済の安定した先進国では経済発展が幸福度に及ぼす影響が薄れている。
富そのものでなく、「富を得ることで生き方を自由に選択できるように
なったこと」が国民の幸福度を高めている。
②「経済の発展と幸福度の関連は弱くなっている」
中南米諸国に見られる、貧しい国における幸福は、
「密に結びついた共同体の連帯意識、宗教的信念、愛国心」などと重ね
合わせることができる。
③「社会的寛容性も重要」である。調査開始以来の幸福度推移を見ると
向上しつつあるが、男女平等、マイノリテイや同性愛者の受容が進んで
いる欧州諸国が上位に上がった大きな理由になっている。
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かつて日本は共同体意識がありましたが、個の自由を手に入れた代わり
に絆はばらばらになってしまいました。
最近では、無縁社会といわれるように、社会全体が縁のない不安や恐怖に
怯えていることもあるかもしれません。
そういった意味では、一方的な依存関係でもなく、従来のような共依存の
関係でもなく、社会全体での相互依存の関係が求められているのかもしれ
ませんね。
自立した個の連携による、相互依存による社会の持続的な発展がこれから
の日本には求められるのでしょうか?
そういった意味で、世界1位のデンマークは興味深いものがあります。
イングルハート氏の分析どおりで、幸福度の要素が、経済的な選択の自由
と、自立した個による相互依存関係(共同体意識)、社会の寛容性である
とすれば、そのうえでデンマークは社会インフラとして生命の維持に関す
るものは無料になっているからです。
(ただし、税負担は高い。また政治と金に関する関心も高く、使い道に
関しての国民の政治への関心も高い。)
興味深い事実ですね。
また、5位にランクしているアイスランドは、リーマンショック後の経済の
破綻で国民の幸福度はどうなっていくのでしょうか?
経済厚生は幸福度につながるのか?興味をもっていきたいと思います。
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