パーソナルブランディングを考えるときに、最も重要な点をドラッカーは、
鋭く指摘しています。
私が十三歳のとき、宗教のすばらしい先生がいた。
教室の中を歩きながら、「何によって憶えられたいかね」と聞いた。
誰も答えられなかった。
先生は笑いながらこういった。
「今答えられるとは思わない。でも、五〇歳になっても答えられな
ければ、人生を無駄にしたことになるよ」
実に重要な示唆だと思いませんか?
人間には自己承認欲求がありますから、ともすれば「○○○のように
見られたい」といった、承認欲求を満たしたくなるような振る舞いをしが
ちです。
ところが、これは自我の欲求を満たすだけですので、俗人的な人間関
係においての相互の承認(「あの人は○○○だよね」という類のもの)
はあっても、ブランドに昇華するほどのエネルギーはありません。
自我を満たすというのは、エゴそのものだからですね。
そのうえで、ドラッカーは貢献こそが大切であると指摘しています。
人間関係に優れた才能をもつからといって、よい人間関係がもてる
わけではない。
自らの仕事や人との関係において、貢献に焦点を合わせることにより、
初めてよい人間関係がもてるのである。
こうして、人間関係は生産的なものとなる。
われわれは、貢献に焦点をあわせることによって、コミュニケーション、
チームワーク、自己啓発、および人材育成という、成果をあげるうえで
必要な人間関係に関わる基本条件を満たすことができる。
パーソナルブランディングを考える上では、
「何によって憶えられたいか?」は、「どのような貢献をしているか?」
と言い換えることができるのではないでしょうか?
この点を踏まえた上で、つまり貢献軸を踏まえた上で、未来のあるべき
自分を創造する、ということがパーソナルブランディングのスタートを考える
うえでは大切なことですね。
そして、貢献のポイントを考えるうえでは、自分自身の強みに軸をおくべき
ではないでしょうか。(つづきはまた)
Tweet
0 件のコメント:
コメントを投稿